またまたコシナが面白そうなレンズを出してきた。
75mmなら手持ちにHektor7.3cmがあるけどあれは癖玉。しっかり写るのが欲しいとは思っていた。
そんな中このレンズの発表があった。
発売前のレンズを予約して買ったのは初めて。そもそも最近はオールドレンズばかりだったから現行品に手を出すのは2年半振りだ。
ミニズマレックスみたいなルックスは中々良い。レンジファインダー用のレンズとしては大きめだけどバランスも悪くないと思う。
いつもは大抵ブラックを選ぶのだけどクラシックデザインという事でせっかくなのでシルバーにした。付属の金属フードの造りも良かった。
フォクトレンダーのビンテージラインはこのレンズで6本目らしい。見た目はクラシックで光学性能は最新というコンセプト。ライカ程ではないけど質感も悪くないしデザインも個性的で以前から気になっていた。
俺は等倍鑑賞なんて一切しないし周辺の画質とかもあんまり気にしない。だから印象を色々書いてみるけどただの素人の雑感だと思って見て欲しい。
M9で試写がてらの浅草スナップ。天気は晴れ。
F1.5の絞り開放は想像よりも柔らかい印象。ボケもクラシックな感じ。結構滲んだりもする。勝手に開放からキレッキレな写りだと思っていたのでちょっと意外。
絞り値の記憶が曖昧だけど上の写真は開放だったと思う。
少しパープルフリンジが出ている。消し方知らないのでそのまま。
せっかくの大口径レンズなので絞り開放でいきたいところだけど晴れていると露出オーバーになってしまう。NDフィルターが欲しい。
色乗りはまあ普通かな。
以前にニコンFマウントのノクトン58mmを持っていたけど写りも色味もこんな感じだった気がする。
75mmはとても好きな画角だ。常用で使えるギリギリの焦点距離。ひたすら切り取っていく感覚は正にスナップシューター。程良く圧縮されてドラマチックに写る。
さて…お次はMモノクローム。このレンズで一番使ってみたかったカメラ。
柔らかい写りは人を撮るのにも良さそう。
開放が柔らかいと言ってもピント面はしっかりシャープ。被写体との距離が近いとボケが大き過ぎて何が何だか分からないが…
スナップでF1.5は難しいね。それに手振れにも注意しないと。マグニファイヤーが欲しくなるけど高いから迷う。
2段くらい絞るとかなりシャープになる。線も細いレンズなので繊細な描写が期待できそうだ。
夜や薄暗いシーンではF1.5は有り難い。周辺光量落ちが結構あるけど怪しげな雰囲気が出ていいと思う。
ズミルックスやノクチルックスといったライカの大口径レンズは持ってないし憧れるけどコレでいいんじゃないかと思えなくもない。
開ければ柔らかく、絞ればシャープ。モノクロとの相性はきっといい。
クラシックでシンプルなルックスはMモノクロームとベストマッチ。艶感が少なめな梨地のシルバーなのでブラッククロームとの親和性が高いんだと思う。
で、最後にX-Pro2。新しいMマウントを手に入れると必ず一度は試してみる。EVFの方が絞り値による変化とか分かりやすいからね。
aps-cなので本来の画角ではないとはいえ、ヘリコイドアダプターで寄れるのはライカにはない魅力。
中望遠でF1.5ならEVFの方がピントも合わせやすい。
クラシックな写りはクラシッククロームと相性が抜群にいい。試写だけでは勿体ない。M9で使うより好きかもしれない。
元々コシナと富士フイルムは大好きな組み合わせ。X-Pro2でも活躍してくれそうだ。
コシナのMマウントレンズの購入は3年振りで4本目になる。
左から
・Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 S.C.
・Carl Zeiss C Sonnar T* 50mm F1.5 ZM
・Carl Zeiss C Biogon 21mm F4.5 ZM
・Voigtlander NOKTON Vintage Line 75mm F1.5 Aspherical VM
それぞれ個性は違うんだけど、どれもクラシック系で開放の味と絞った時の変化を楽しめるタイプのレンズ。
このレンズもそのタイプに近い様な気がする。
ストリートでは基本絞った方が無難かな。
でも75mmでF1.5なんてこんな魅力的なスペックを活かさないのは勿体ない。これからこのレンズの使い方を模索していこうと思う。
優等生だけど遊び心も持ち合わせた様なレンズ。かなり楽しめそうな予感。
めちゃめちゃ凄いレンズって感じではない。だけどルックスやサイズ感、コスパも含めてコシナらしいとてもいいレンズなんじゃないかと思う。
D graphy 